レイアウトは余白の取り方に注意しよう

 レイアウトを考える時、主としてテキストや画像、図表などの「配置」のことにばかり気がいってしまいがちですが、完成した冊子の印象を決定的に変えてしまう重要なポイントは、余白の取り方です。

 余白が少なすぎると、文字の情報も読みにくく、全体的に息苦しい雰囲気になりますし、逆に余白が多すぎたり、ページによってバラバラになってしまうと、統一感がなく、落ち着きのない稚拙な印象になります。
 少し大げさに聞こえるかも知れませんが、余白の取り方をおろそかにすると、冊子の見栄えはおろか、書き手の人柄にまで良くない印象を与えかねません。

 したがって冊子印刷のデータ作成では、適切な余白の取り方を覚えることがとても重要です。以下に大まかなポイントを記載しますので作成前に確認しましょう。


適切な余白を設定するための基本的なポイント

 まず、冊子作成の基礎知識として、紙面体裁の上を「天」、下を「地」、内側(綴じ部分側)を「ノド」、逆に外側を「小口」と呼びます。また、表紙を「表1」、表紙の裏を「表2」、裏表紙の裏を表3」、裏表紙を「表4」と呼びます。印刷会社への相談や発注後のやりとりが生じた時にもよく使われますので、これらの用語で困惑しないよう、覚えておきましょう。

表紙と体裁方向の呼び方

 さて、余白を設定する際の基本的なポイントですが、綴じ方式に関わらずいえることは、四方の余白は均等にとるのではなく、「天」の余白を「地」よりも多めにとることです。そうすることで、紙面全体に視覚的な落ち着きと安定感が生まれます。
 また、中綴じや無線綴じなど、綴じ方式によって変わるポイントとして、次のようなものもあります。


中綴じ冊子は、小口側の余白を多めにとる

 中綴じ冊子は、重ねて二つ折りにした紙の中央を針でとめる綴じ方式ですので、ページ数が多いほど内側のページは小口側がせり出す形になり、外側と内側のページで小口の余白にズレが生じます。
 そのため、紙面ギリギリまでデータがあると、製本工程で断裁が行われた際に、想定していた余白がなくなってしまったり、最悪の場合はデータが見切れてしまう恐れもあります。ページ数が多いときは、特に注意が必要です。

中綴じ冊子は小口の余白に注意


無線綴じの場合は、ノド側の余白を多めにとる

 無線綴じ冊子は、揃えた本文を背幅つきの表紙でくるみ糊付けする綴じ方式ですので、用紙の厚さやページ数により程度は異なりますが、中綴じのようにノド側を完全に開くことが出来ません。
 そのため、見切れて困る文字などは、仕上り位置より15mm~20mm以上の十分な余白を確保しておかないと、センター付近の文字や図表などが隠れて見えなくなってしまう恐れもあります。見開きになるようなデータがある場合には、特に注意が必要です。
※心配な時は、思い切って印刷会社などに相談することをお勧めします。

無線綴じ冊子はノドの余白に注意


 さて、適切な余白をとり、仕上がり位置が決まったなら、いよいよ文字や画像・図表などのデータを落とし込んでいく作業になります。
 ただし、画像や図表を配置する際にも注意点がありますので、次項も確認しましょう。

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